2022年3月に博士号を取得した山下恵史朗さんが、本研究室在籍時に発見した新たなKCl水和物高圧相に関する論文がActa Crystallographica Cから出版されました。本論文の図がActa Cryst. C.誌のcoverに選ばれました。
山下さんは、KCl水和物の高圧相を新規に発見したのみならず、同時に成長してしまう氷の高圧相を制御し、対称性の高いice VIIと新規水和物が同時に成長するような条件を見つけることで、水和物の構造決定の邪魔になる氷の回折パターンを最小限にするという工夫で構造決定に成功しました。さらに、DFT計算を組み合わせることで、X線回折では議論が難しい水素原子に関する知見も得られました。