卒業生のHeさんを筆頭とする、フッ素を含むブルーサイトの水素結合に関する論文が、Inorganic Chemistry誌に出版されました。
ブルーサイトMg(OH)2 は、層状水酸化物の基本構造をもち、固体中の水素結合を研究するための代表的な物質です。本研究では、中性子粉末回折、ラマン分光および赤外吸収分光を組み合わせ、フッ素置換がブルーサイトの水素結合に及ぼす影響を調べました。常圧ではフッ素置換によって水素結合が強まる一方、高圧下では水酸基の結合長の伸びが抑えられ、圧力による水素結合の強化が緩和されることが明らかになりました。この結果は、元素置換と圧力によって層状水酸化物の構造や物性を制御するための基本的な知見であると同時に、地球深部における含水鉱物の性質やフッ素循環の理解にもつながる成果です。
He X., Kagi H., Komatsu K., Sano-Furukawa A., Abe J., Fukuyama K., Shinmei T., Nakano S. (2024) High-pressure behaviors of hydrogen bonds in fluorine-doped brucite. Inorganic Chemistry, 63, 22349-22360.