小松准教授、卒業生の村上さんを中心とし、塩化アンモニウム(NH4Cl)の相転移を調べた論文が、Inorganic Chemistry誌に出版されました。
塩化アンモニウムは、結晶中のアンモニウムイオンの向きが秩序化することで相転移を起こす代表的な物質です。本研究では、低温および高圧下で粉末X線回折データを連続的に測定し、温度・圧力による結晶構造の変化を詳細に調べました。その結果、室温・0.7–1.0 GPaで起こる相転移が体積変化を伴う一次相転移であることを確認するとともに、低温での冷却・加熱過程ではアンモニウムイオンの秩序化の程度に違いが生じることを示しました。さらに、高圧相であるV相がアンモニウムイオンの向きが交互に配列した正方晶構造をもつことを初めて明らかにし、水素結合がその構造形成に重要な役割を果たすことを示しました。
Komatsu K., Murakami T., Nakano S., and Kagi H. (2025) Phase transitions of NH4Cl under low temperature or high pressure observed by sequential powder X-ray diffraction. Inorganic Chemistry, 64, 13079-12085.