客員共同研究員の青木博士を筆頭とし、鉄の磁気転移を中性子回折を用いて調べた仕事がPhys. Rev. B誌において出版されました。
鉄の結晶構造は温度・圧力によって変化し、その相安定性には磁性が深く関わっています。しかし、高圧下における磁気転移と構造相転移の関係は十分に解明されていません。本研究では、高温高圧その場中性子回折実験により、鉄の磁気散乱を直接観測することで、α鉄の磁化の温度変化を調べました。その結果、強磁性を失うキュリー温度は圧力とともに大きく低下し、常圧の1043 Kから6.7 GPaでは740 Kまで下がることが明らかになりました。さらに、6.7 GPaでは磁気転移の後にα相からγ相への構造転移が起こります。すなわち、α–γ転移は、常磁性の体心立方構造から常磁性の面心立方構造への変化であることが明らかになりました。
Aoki K., Takano M., Fukuyama K., Kagi H., Machida A., Smith H., Hattori T., Sano-Furukawa A., and Funakoshi K. (2026) Spontaneous magnetization curve of α-iron at high pressures determined using in situ neutron diffraction. Phys. Rev. B 113, 184440.