卒業生の森さんを筆頭とする、鉄水素化物の磁性と熱膨張に関する論文が、The Journal of Chemical Physics誌に出版されました。
鉄は高圧下では結晶構造中に水素を取り込むことができ、それにより磁性や弾性などの物性が変化します。本研究では、高温高圧で合成した鉄水素化物(dhcp-FeH)について、高温高圧その場X線回折実験と第一原理計算を組み合わせ、温度・圧力・磁性の関係を調べました。その結果、強磁性から常磁性へ転移するキュリー温度において特異な熱膨張挙動が現れ、圧力の増加に伴ってキュリー温度が低下するとともに、磁性と体積変化の結びつき(磁気弾性結合)が強まることが明らかになりました。遷移金属水素化物における磁性由来の体積異常を実験的に示したユニークな成果です。
Mori Y., Aoki K., Kagi H., Takano M., Park I., Wang Z., Kim D., Tsujino N., Kakizawa S., and Higo Y. (2026) Pressure-induced thermal expansion anomalies in dhcp iron hydride associated with magnetoelastic coupling. The Journal of Chemical Physics, 165, 014705