卒業生の森さんを筆頭とする、hcp鉄水素化物の体積膨張に関する論文が、Journal of Geophysical Research: Solid Earth誌に出版されました。
水素は惑星核における有力な軽元素の一つです。鉄に水素が取り込まれると、体積が膨張し、密度を低下させます。本研究では、水素量を制御して合成した六方最密充填構造の鉄水素化物(hcp-FeHx)について、10–25 GPa・300–900 Kにおけるその場X線回折実験を行い、高温高圧下での体積変化を調べました。水素原子1個あたりの体積膨張は圧力の上昇とともに小さくなり、温度の影響も高圧になるほど弱まることが分かりました。また、水素による密度低下の大きさは鉄の結晶構造に依存し、hcp相ではfcc相よりも少ない水素で効率的に密度が低下することを示しました。この成果は、惑星核に含まれる水素量を密度から推定する際に、圧力・温度・結晶構造を適切に考慮する必要があることを示しています。
Mori Y., Takano M., Kagi H., Aoki K., Kakizawa S., Tsujino N., and Higo Y. (2026) Hydrogen-induced volume expansion in hexagonal close-packed iron: Effects of pressure, temperature, and structure. Journal of Geophysical Research: Solid Earth, 131, 9 e2026JB034491