卒業生の嶋さんを筆頭とする、準安定なα-クリストバライトの生成条件に関する論文が、Journal of Mineralogical and Petrological Sciences誌に出版されました。
クリストバライトはSiO2の多形の一つです。本研究では、非晶質シリカを加熱した際のα-クリストバライトの結晶化過程を、五酸化バナジウム(V2O5)をフラックスとして加えた場合と加えない場合で比較しました。その結果、フラックスを用いない場合には1200℃で結晶化したのに対し、V2O5を加えることで生成温度が1000℃まで低下し、結晶面が明瞭に発達したα-クリストバライトが得られることが分かりました。V2O5は結晶構造を化学的に安定化するのではなく、部分融解を引き起こすことで結晶化の活性化エネルギーを低下させ、結晶成長を促進すると考えられます。この成果は、SiO2の準安定相が形成される機構の解明や、結晶合成制御につながることが期待されます。
Shima T., Komatsu K., and Kagi H. (2026) Formation conditions of metastable α-cristobalite from amorphous silica with and without V2O5 flux. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 121:0003.